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みんなで踏み出そう! 明日への一歩を 11

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「去年は、不思議だったよなぁ」
江島杉山神社にある洞窟の前で、音松がつぶやいている。
昨年の映画祭当日の朝も、音松を始め実行委員の有志たちが、映画祭成功祈願を行った。
そして、点字の石碑、墨字の説明文をみんなが、読み始めたその時、エルザの友達の七海の声が全員の心に響いた。
(詳しくは第5回映画祭物語「思い出そう大切なこと」参照http://citylights.halfmoon.jp/eigasai5/)

「そうだったわね。今日は、七海さんは?」佐緒里が音松にきいている。
「おぅ? 今日はね、違うんだ・・・。」音松、何だか歯切れがわるい。
「七海おねえちゃんはね、後で、お家に遊びに来てくれるんだ。えっとね、ブー・・・。」
「さっちゃん、ダメだよ。」周人があわてて止めに入る。

「なぁに?みんなして」首を傾げる佐緒里。
「佐緒里さんのフィアンセは、今日退院なのでしょう?」勢津子がたずねる。
「ええ、そうです。やだ、みなさんご存知なの?」恥ずかしそうな佐緒里。
「二人の出会いは、そりゃ劇的だったよ。その場にいたこっちが恥ずかしくなるくらいだったよ。」

2010年10月9日土曜日、小雨まじりのこの日行われた同行鑑賞会『悪人』
で、祐一と佐緒里は出会った。そりゃもう、あっつあっつ。お茶会の中華料理屋さんのおこげよりよほど熱いと言えばわかってもらえるだろうか。
この鑑賞会は、当時、池袋チームのかおると名乗っていたハカラメさんと、新宿チームのかおる(実は私)が「ダブルかおる」として一歩を踏み出した作品でもある。二人は今でも、もちろん仲良しである。と、この二人も実は祐一のあまりのカッコ良さに主演の妻夫木さんの面影、いや、『悪人』の清水祐一そのものを重ねあわせていた。
「ねぇ、あの人かっこよかね。」
「ほんと、映画の祐一が飛び出してきたみたいよ。」
「いや、映画じゃなか、小説よ。」
参加者からも口々に声が上がる。
何故みんな、九州の方言になっているのかはわからないけれど・・・。

「みなさん、初めまして、竹井祐一です。」
「えっ、ユウイチ・・・。」前に座っていた佐緒里の瞳は祐一に釘付け。
「僕は、小説を読んで・・・。」自己紹介をしていた祐一が佐緒里の視線に気づく。
「よろしく・・・。」祐一は、話を終えることなくそのまま着席。
赤い糸どころか、赤い鎖がガッチャンとつながった瞬間だった。
なので、結婚すると聞いたときは誰も驚かなったのだけど・・・。
結婚式が延期になったときは、音松は白杖を取り落しそうになったし、エルザが号泣して元気の元気までなくなったり・・・。その時は、独身最後で飲み歩いていたことが原因とは、誰も知らなかったからなんだけどね。後で、エルザから大きなライオンの手形が送られてきたことはナイショみたいです。

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